健康・快適|
vol.05
窓の修繕・交換
暑さ対策編
窓まわりの
改善・交換で
暑さを防ぐ
屋内に光を取り入れる窓は、熱も取り込みます。住まいの暑さ対策では、窓まわりの交換や改善が有効です。窓の外に簾を置く、遮熱カーテンをつける、遮熱フィルムを貼るといった対処から、窓そのものの交換や作り変えまで、方法はさまざま。窓のリフォームは、省エネの観点からも大いに注目されています。
窓リフォームで
住宅性能を
アップさせよう
まずは複層ガラスに
変えることから
既存ガラスを、複層ガラス(ペアガラス)に替えると、窓辺の暑さ対策になり、室温上昇も抑えられます。ペアガラスは、複数のガラスの間に空気層があるため、遮熱性・断熱性優れています。近年建てられる住宅の窓ガラスは、ほとんどがペアガラスで、普及率は約70%優れています。築年数が経過している家にお住まいなら、ぜひ交換しましょう。サッシごとの交換が必要な場合もありますが、薄型や特殊なアタッチメント付きのペアガラスを選べば、サッシ交換は不要です。
断熱に加えて
防音や防犯効果も
ガラスを複層にするのではなく、窓そのものを二重にするのが二重サッシ(別名「内窓」「インナーサッシ」「二重窓」)。ペアガラスと二重サッシを併用すれば、より遮熱、断熱、結露防止効果がアップ。防音や防犯も高まります。窓リノベーションで住まいの性能は大きくアップします。
住まいと健康|
熱中症患者の半数は
屋内で発症している
室内での熱中症に
ならないための対策は
暑い日が続くと怖いのが熱中症。暑さに対して人は汗をかいて熱を放散するなど体内で温度調整をします。それがうまくいかず、体の中の熱がたまり体温が急激に上昇し、重要な臓器が高温にさらされることにより発症する障害の総称です。症状は、体温上昇、めまい、体のだるさ、ひどい時には痙攣や意識異常など。最悪の場合、命を落とす可能性もあるので、熱中症が疑われたら救急車を呼ぶなど適切な対応が必要です。
この熱中症、暑い夏の屋外で生じると思いがちですが、実際は熱中症で救急搬送される人の約半数は、住宅や飲食店などの屋内で発症しているのです。原因としては、室温や湿度の高さ、風通しの悪さ、長時間の作業、水分補給できない状況などがあげられます。乳幼児や高齢者、体調不良の方はもちろん、家事やテレワーク等で室内で過ごす時間の長い方は、以下の対策を心がけましょう。
- エアコン・扇風機等で夜間も含め室温を適切に保つ
- 通風や除湿器で湿度を常時調整する
- こまめな水分補給と適度な塩分補給
- 睡眠や食事の時間など生活リズムを整える
- 適度な運動や入浴で体を暑さに慣れさせる
参考サイト
リフォーム・
ワンポイントアドバイス
窓だけでなく
サッシ交換も必要
日射熱の大半はガラスから室内へ流れ込みますが、サッシ枠の断熱性も大切。古いアルミサッシは断熱性がとんど期待できません。樹脂サッシなど熱が伝わりにくいものに交換することで暑さを大幅に軽減できます。
サッシの取り替え方法は主に2種類。既存の窓枠を外して新しい窓枠を取りつける「はつり工法」と、窓枠をそのままにして内側に一回り小さい窓枠をかぶせるように設置する「カバー工法」です。窓サッシは壁の下地柱に直接取りつけられており、はつり工法では壁の一部解体が必要になるなど、それぞれに工期、費用、仕上がりでメリット・デメリットがあるので、比較のうえ採用しましょう。
参考サイト
住まいと暮らしのむかし話
日本では「紙の窓」が採用された
ガラスは紀元前のエジプトで装飾品として使われていました。窓ガラスの登場はローマ時代。ところが日本でガラス窓が使われるようになるのは、江戸時代のオランダ商館を除けば明治以降。西洋建築で採用され、関東大震災後の復興で、一般住宅にも取り入れられるようになりました。
日本でガラス窓が長く使われなかったのは、ガラスの伝来が遅く、近代まで量産されなかったから。また「障子」など紙の仕切りが発達したためです。採光・遮光、目隠しにも紙が使われました。古代から日本の住居は寒さを凌ぐより暑さ対策に重きが置かれていましたから、窓には通気性のある紙のほうが良かったのでしょう。
無理なくできる節約術
/ 冷房編
窓断熱で
冷房電気代を削減
一般的な住まいでは、夏は74%の熱が開口部から出入りしています。開口部とは玄関や窓。この部分に断熱の工夫や素材が用いられていないと、いくら冷房しても室内温度は下がりません。窓断熱により、この出入りを少なくすることで外気熱の侵入、冷房の冷気放出を防ぎます。窓断熱リフォームのイニシャルコストで、ランニングコスト・冷房電気代を削減できます。
家庭でできるCO2削減
窓断熱で電気使用量を
減ら窓せばCO2も減る
窓ガラスやサッシの交換による断熱により、エネルギー消費量は10~20%削減すると言われています。窓の断熱でエアコンの効率がアップすれば、電気使用量でが減り、家庭でのCO2削減策にもつながります。
LPガスまめ知識
LPガスの
さまざまな用途
LPガスは厨房(コンロなど)や給湯(湯沸しや風呂など)のほか、暖房・乾燥で利用されています。またガスエンジンはタクシーなど自動車燃料のほか、発電や冷房、動力源として、さまざまな場所で使用されています。LPガスはパワフルで制御しやすく、経済性に優れているので、一般家庭や飲食店ばかりでなく、農業や工業でも、熱源や動力げんとして大いに活用されています。