



健康・快適|
vol.11
バリアフリー
リフォーム
早めの対策で
今も老後も
安心の住まいに
家の中は安心と思いきや、転倒や身体への負荷による事故が多発しています。特に高齢者の事故は、大半が居室で発生。骨折して寝たきりになるケースもあります。健康に生きていくためには、安心して暮らせる環境づくりが重要。安全な住まいを実現する、バリアフリー化のリフォームについてご案内します。
バリアフリーリフォームで
安全・安心・快適な暮らし
転倒リスクのない
安全な住まい
室内や部屋と廊下の段差は、転倒の原因となります。スロープの設置や床のかさ上げで解消しましょう。玄関や浴室、トイレなどの段差をなくすと移動も楽になります。浴室は、滑りにくい床材や入りやすい高さの浴槽に取り替えると安心です。手すりも転倒防止に役立つので、玄関や階段、浴室などに設置しましょう。
温度差による
身体への負担を軽減
浴室やトイレでのヒートショックを防ぐには、「温度のバリアフリー化」が有効です。リビングや寝室など、他の部屋との温度差をなくすために、浴室やトイレにも暖房機器が必要です。家全体が「冬は暖かく夏は涼しく」なるように、高断熱・高気密リフォームも検討しましょう。断熱性や気密性が高いほど、省エネ効果もアップします。
公的な補助金や
税控除について
要支援・要介護の認定を受けている方のいるご家庭は、「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用しましょう。対象となるのは、手すりやスロープの取り付け、敷居の撤去、各種取り替え(浴槽、滑りにくい床材、引き戸、洋式便器)など。バリアフリー化にかかった実費に応じた補助が支給されます。 また、「住宅特定改修特別税額控除」も利用可能。いずれもお住まいの自治体にご確認ください。
参考サイト
住まいと健康|
家の中の温度差が
ヒートショックの原因に
浴室とトイレは要注意!
ヒートショックとは
急激な温度の変化で身体がダメージを受ける「ヒートショック」。暖かい場所から寒い場所に移動すると、血管収縮して血圧が上昇します。逆の場合、血管が拡張して血圧は下降。このような血圧の変動が、心臓に負担をかけてしまいます。温度差による血圧の乱高下で、立ちくらみ・頭痛・吐き気・脱力・ろれつが回らないといった症状が出ます。不整脈や心筋梗塞、脳卒中などを起こすことも少なくありません。
ヒートショックは入浴時に多発
入浴時は寒い中で服を脱いで体を洗い、熱いお湯に浸かるといった温度変化が生じます。浴室での心筋梗塞や脳卒中のほか、失神して溺れるケースも。対策は、脱衣所や浴室を暖めておくこと。また、入浴は「熱すぎず長過ぎず」を心がけましょう。
トイレでは血圧の乱高下にも注意
冬の夜間や早朝は、暖かい布団と寒いトイレで温度差が生じます。トイレにも暖房機器を設置しましょう。また、排便時にいきむと血圧は上昇し、排便後には血圧が急激に下降。これもヒートショックにつながるため、力を入れすぎないことも重要です。温度差だけでなく、便通がよくなるような食生活を意識したり、腹筋を鍛えたりすることも大切です。
参考サイト
リフォーム・
ワンポイントアドバイス
住み慣れた家でも
事故は起きる
国民生活センターの調査によると、高齢者の事故の発生場所は、大半が住宅内の居室です。65歳以上の高齢者の事故全体の77%は住宅内で発生し、そのうち45%は居室で起きています。洗面所や浴室での事故は、全体の2~3%と、それほど多くはありません。起床時にベッドから落ちる、カーペットに足をとられる、床の段差につまずく、電源コードに引っかかるなど。高齢者は、ちょっとした転倒でも重傷化する傾向にあり、入院に至ることも少なくありません。ベッドサイドや廊下、階段に手すりを設置したり、床の段差をなくしたりして、安全に移動できる環境づくりが必要です。
参考サイト
住まいと暮らしのむかし話
バリアフリーの歴史
1970年代までの日本の駅も公共施設も住宅も、階段、段差など障害者や高齢者への配慮はほとんどありませんでした。1974年の国連障害者生活環境専門家会議の報告書『バリアフリーデザイン』が出され、日本でも1980年代から取り組みがはじまります。80年代後半には民間の住宅建設でも、段差のない床面、引き戸や手摺等が取り入れられるようになり現在に至ります。
近年は、バリアフリーがバリア(障壁)の存在を前提にその障壁を取り除くという考え方であるのに対して、あらかじめ年齢、性別、人種等に拘わらず多様な人々が利用しやすいように都市や生活環境をデザインするユニバーサルデザインという考え方も広まっています。
無理なくできる節約術/バリアフリー編
ケガを防ぐことで
医療費を節約
総務省の統計によると、65歳以上の高齢者世帯の消費支出で、最も大きな割合を占めているのが医療費。医療費は、70代80代と年齢を重ねるほど増えるのが一般的。また、将来的には自己負担割合が増える可能性もあります。自宅のバリアフリー化で転倒によるケガを防げれば病院にかからずに済み、医療費が節約できます。
参考サイト
家庭でできるCO2削減
「温度のバリアフリー化」で
CO2削減に貢献
家の中の温度差をなくす「温度のバリアフリー化」は、断熱性や気密性を高めるリフォームで実現可能。各部屋や浴室・トイレだけではなく、廊下や階段の天井・壁・床にも断熱材を入れたり、隙間をうめたりします。外からの熱気や冷気を遮断するとともに、家の中の空気を逃しません。冷暖房効率がアップすることでエネルギー消費が抑えられ、CO2削減につながります。
参考サイト
LPガスまめ知識
LPガス警報器
ガス事故防止には、ガス漏れの早期発見が何より大切です。ガス漏れを音で知らせるガス警報器は事故防止のために必須です。公共機関や多くの人が利用する施設やLPガス使用のアパート、マンションなどの共同住宅で3世帯以上が入居し、3階建て以上の構造のものには設置が義務付けられています。戸建ての一般家庭の場合は、義務はありませんが、設置が推奨されています。
